産む、産まないを決めるのは女(ワタシ)
番組を見ていないのでネットの記事で知ったこと
上沼恵美子さんのお母さんの話
上沼恵美子さん、本当は中絶されていたかもしれないということをテレビで語ったらしい
上沼さんのお父さんである夫から「産むな」と強く言われたと…
何度か病院に行っては戻るを繰り返したあと、お母さんは「私が育てる」と宣言して上沼恵美子さんを産んだようだ。お父さんは激怒したらしいが負けなかったようだ。
この話、一般的にどう受け止められるか?
たぶん「母は強し」みたいな感動をされる人、多くないだろうか?
やっぱり産むことが強いこと、母性の勝利!!みたいな…
私はそういった受け止め方で終わって欲しくないと思う。
このお母さんがすごいのは「産む」ことを自分でちゃんと決めて自分のからだと心を守ったことだ。
あの時代に…女が自分の意見を通すことが本当に大変だった時代に…
それと、産む、産まないで悩むとき、産むほうが積極的な選択で、中絶するほうが後ろ向きな選択のような風潮がまだ強い。
「金八先生」「14歳の母」など結局少女たちに産む選択をさせてハッピーエンドの展開。
でも、現実はドラマとは違う!厳しい生活が待っているのだ。
だから「リスクを負うのは誰なのか?」という点で、本人がその時に一番納得できる選択をできるようにさせてほしい。そのための相談をできる社会資源がもっと必要だ。
私自身、2人の子供を授かった後、望まない妊娠を2回経験している。1度は流産、2度目は産まない選択をして中絶した。
今も後悔はない。それでも水子地蔵を見かけたら手を合わせている。やはり私もどこかで罪悪感を持っているんだと思う。
ただ、流産となったときの妊娠に対して私は自分の両親から思わぬ言葉を聞かされた。「もう、やめたほうがいい、あなたのためを思って言ってるんやで」と…流産の報告をしたら安堵したような反応にも傷ついた。
結婚前から「早く孫の顔を見たい」と言っていたその両親の「孫は2人で十分」といった態度の変化に淋しさを覚えた。まるで役目を終えたロボットのような扱いに感じたのだ。
その後、リプロダクティブヘルス・ライツを学び、女性のからだと性は自分で守る権利があることを知ったとき、はじめてあの時の両親に対しての感情が怒りに変わった。
だから、上沼さんのお母さんの強さを母性で片付けてほしくない。
このお母さんのすごさは「自分で決める権利」とちゃんと主張されたことなんだ。
上沼さんのお母さんの話から私の経験を思い出し、ぜひこの思いを伝えてみたくなった。
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